宇宙からの帰還(空気力学の応用) 〜三つ子の魂100まで 安倍隆士君 文部省宇宙科学研究所教授 (動画+音声)MPG5秒間120KB 講演要旨 web sight http://abe1.eng.isas.ac.jp |
というタイトルで話を致しました。私は、学生としては、京都大学航空宇宙工学科、
東京大学大学院航空宇宙工学専攻、その後は、プロとして文部省宇宙科学研究所で3
0年近く宇宙関連の研究・開発に係わって来ております。この研究所は、前身は東京
大学宇宙航空研究所で、1982年に改組して文部省直轄の研究所(大学共同利用機
関というカテゴリーになります)となっており、衛星を用いた天文、宇宙物理の研究
及び、そのための衛星、ロケットに関する研究・開発を行っている機関です。
この話では、三つ子の魂ということで、私どもの学生時代である1970年初頭の
アポロ計画で用いられた宇宙飛行士帰還用のコマンドモジュールの実物写真をごらん
に入れるところから話を始めました。アポロが打ち上げられた当時の我が国の状況(
ちょうど、我が国初の衛星である「おおすみ」が打ち上げられました)は、米国に比
較して圧倒的な差があったわけで、その当時、宇宙からの帰還に係わるような技術が
我が国で開発されるとは、予想もしなかったことであったわけですが、その後30年
でなんとかそのまねごとのようなものが我が国においてもできるようになったという
状況をお話しました。
現在、私どもの研究所では、小惑星の岩石破片を地球に持ち帰る計画(MUSES-C計
画)を進めており、その最終フェーズでは、大気圏に突入して、パラシュートで緩降
下する宇宙機が用いられます。そのような宇宙機を開発しておりますが、現在ほぼ最
終フェーズにさしかかっております。これと平行して、同種の宇宙機の飛行実験(D
ASH計画と称しています)を来年2月に予定しておりました。残念ながら、打ち上
げロケット(宇宙開発事業団が開発中のH-IIAロケット)の都合で延期となっており
ますが、近い打ちに是非行いたいと考えております。
このような技術の積み重ねは、近い将来には、小惑星の本格的探査や、火星、金星
などの他の惑星探査に応用されて行くことが期待されています。また、現在建設中の
宇宙基地への輸送技術にも応用されて行くことになります。さらに、多少遠い将来を
見れば、宇宙旅行に必要なスペースプレーンの技術にも応用されて行くことが期待さ
れるます。といったところで、話の締めを行いました。
このような話をする機会を頂き、ありがたく思っております。近い打ちに皆様のご
活躍のお話を伺いたいものです。
浦高20期同窓会WEB SIGHT&メーリングリスト 担当:小川千里
TEL.0266-74-2232 FAX.0266-74-2803 RADISH@root.or.jp |